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マネジメント実験室

小さな企業の経営・マネジメントを通して日々考えたこと、学んだこと、感じたことを。

感情的になった相手をメールで鎮静化するコツ

これだけメールがコミュニケーションツールとして普及してしまうと,メールを通して感情をぶつけられることがあります。


個人的なやり取りもあると思いますが,ビジネスの現場でも,クレーム,苦情といった感情を伴った主張がメールで送られてくることが普通にあります。
そういう場合,顔の見えない相手に対して,メールで鎮静化する必要に迫られます。


その場合のコツを書いてみました。


ここでの例としては,ネットショップで販売している商品の説明に『パールのような光沢』という表現をしていたために,購入者が『純白』だと勝手に思い込んでしまい,いざ商品を受け取ってみたらイメージが全く違っていてがっかりしたというもの。購入者としては,こんなまぎらわしい表現を使うから商品に期待したのにプンプンというもの。


ただし,対象は世に言うところの“クレーマー”とか“ボーダー”と称される一種の精神疾患を患った方ではありません。
この手の方たちへの対応は,私のような素人ではなく,プロのクレーム対応者のアドバイスを参照してください。


1.まず冷静に読む
とにかく相手はヒートアップしているので,本当の問題の大きさよりも,かなり大きく認識されていたり,表現されていると考えた方がよいでしょう。
相手の文面に反応してこちらが熱くならないようにしなければなりません。
どんなに感情的な表現が採られていたとしても,相手の主張をシンプルに読み解いてください。


例えば,商品の返品や返金を希望しているのかとか,あるいは単に謝罪を求めているだけかとか。もしかすると,感情的な表現を除いていくと,案外具体的な要求は何も残らないかもしれません。つまり,怒っているということを理解させたいだけかもしれないのです。


2.落とし処を想定する

冷静にメールを読んだら,解決策としての落とし処を決めてしまいます。
対面でのやり取りであれば,相手の反応を覗いながら対応を探ることができますが,メールでは相手の主張も出てしまっているので,こちらとすれば,どこまでの要求に応え,受け入れられないのはどこかということを目星を付けて返信をする必要があります。


商品の返品と代金の返金を認めてしまうなら,主張を呑んだ上で,あとは怒りを治めるだけですし,代金については全額の返金は難しいということであれば,交渉ということになります。ただここで扱おうとしているのは,メールでの交渉術ではなく,メールで感情的になった相手を鎮静化することですので,法外な要求以外は呑むということで進めます。


ここで言う落とし処とは,相手の怒りを沈静化するための,感情を持っていく方向,相手の感情のやり場をどう作ってあげるか,ということです。


なので,お怒りはごもっともなのだけれど,こちらとすると自分たちの商品には自分たちなりのイメージがあって問題の表現をとった。申し訳ないが返品と返金でどうでしょうか,といったものです。


3.傾聴(傾読)する姿勢を示す

さて,相手の文章を読み解いた後は,こちらが文章で応えていくことになります。
まずは,相手の主張をこちらが理解しているということを伝えましょう。対面では『傾聴』という言葉を使いますが,メールですから『傾読』とでも言えばいいのでしょうか。
相手の主張を理解するということは,決してその主張を全面的に受け入れるということではありません。
まず,相手へのメッセージとして,きちんと受け止めていることを伝えなければならないからです。


『○△さんのおっしゃること誠にもっともでございます・・・』
『お怒りはごもっともだと思います・・・』
『さぞやがっかりされたことと思います・・・』


このときに,相手の主張を繰り返して表現すると効果的な場合があります。


『心待ちにされていた商品が,いざ開けてみると全く違う風合いだったとのこと。本当にがっかりされたことと思います。』などなど。


4.こちらの分析も伝える

感情的になっている人に言い訳をすると,火に油を注ぐ場合があります。


普通の人なら,こちらの言い訳ぐらいは想定していて,それでも腹の虫が治まらずクレームを言ってきているので,のっけから『そうは仰いますが・・・』という展開は避けた方がよいでしょう。


しかし,こちらが考える原因の分析は簡単に示した方が,後の話の展開が楽です。


『商品の説明にあるパールのような光沢という表現が,お客さまによっては純白だと受け取られてしまったかもしれません・・・』


ここで重要なのは,こちらの落ち度であるということを全く言っていないことです。客観的に原因を分析しているだけで,だから自分たちが悪い,あなたの主張が正しいとは一言も言わなくてよいのです。

『客観的に見るとあなたの主張は正しい,でも私たちが100%悪いわけじゃないんですよ。』と暗に含ませるわけです。


5.落とし処を示し解決に向けた展開

最後は,事前に決めておいた落とし処に誘導していくわけですが,その落とし処を効果的に見せるためにも,前述の傾読とか,相手の主張の反復とかいった前置きは必要です。お怒りはごもっともなので,こういう対応をとらせていただきます,ということです。


とにかく,相手が怒っているから怒りを静めるためにアクションを起こすというスタンスではなく,まず相手が怒る正当な理由があるということを前提に考えていかないと,建前だけの謝罪などは簡単に見破られてしまいます。


相手の怒りも認め,主張も理解するが,どう対応するかは交渉ごとだ,というスタンスでよいと思います。