マネジメント実験室

小さな企業の経営・マネジメントを通して日々考えたこと、学んだこと、感じたことを。

マネジメント

自分たちの限界を知っているからこそプロなんだと思う~要求がエスカレートする利用者との関係から

■「プロなんだから」という殺し文句で組織崩壊 看護師という医療の専門家によるサービスを提供(『アラジンケア』ブランドでプライベート看護サービスを提供 http://aladdincare.com)していることもあって、利用者から次のような言葉が発せられることがあり…

義務教育で商売の基本を教えた方がいい

■MBAシリーズには領収書の書き方は書いていない 大企業からベンチャーに転職して困ったことのひとつが、会社におけるお金の回り方について知識がほとんど無かったことです。 BSとかPLが読めないといったレベルの話ではなく、物やサービスが提供されて請求書…

『看護はサービス業か?』という議論に潜む看護師のホンネ

■看護師がサービス業だと言っているのは病院の経営サイド 看護師が集まる相談サイトなどで、『看護師はサービス業なのか?』という議論を時々見かけます。 これらネット上の議論の発端となる『看護師はサービス業』という定義は、質問者である看護師が日々の…

看護と介護が気持ちよく共存するために~看護師サイドから見た介護ヘルパーとの協働

■定義から考える 病院や施設において、看護師とコメディカル、看護師と介護ヘルパーの関係にはなかなか難しいものがあるようだ。私たちのサービスフィールド*1である在宅(居宅)においても看護師と介護ヘルパーの仕事の領分における関係には難しいものがあ…

星野リゾート・星野佳路社長の事件簿

星野リゾートの星野社長と言えば、リゾート再生請負人として、またユニークな経営スタイルの社長として有名である。 経営者・星野氏を知ったのは、『NHKオンライン』を偶然見て、こんな経営スタイルがあるのかと驚いたのが最初である。 ちょうどそのころベン…

新卒を喰い潰す誘惑に勝つ

■状況一変、苦しい新卒教育2009年度入社の新卒は、就活前半が売り手市場、後半が買い手市場という、激しい状況変化の中就職を決めた人たちである。 この状況下で、特に中小企業の採用活動で何が起こったかというと、前半戦で内定を出す際に、他社からも…

社員に期待しない会社はダメになっていくのか

結論から言うと,経営者が社員に期待しない会社がダメになるのではなく,業績が落ちると社員のせいにして社員に期待しなくなるような経営者は,結局のところ自らの無策を反省することが無いから,いつまでたってもダメ経営者なのではないかということ。ダメ…

組織図をすぐに変える会社ほど儲からない

■組織があって人が動くのか,人が動きやすいように組織化するのか組織が機能的に動けるようにと,経営者は頭をひねって組織図を考える。 考えれば考えるほど,もっと機能的な組織があるんじゃないか,売上が上がらないのは組織構成が悪いんじゃないかと思っ…

組織はリーダーの器を超えて成長することはないという実感

■リーダーの交代によるブレークスルーはなぜ起こるのか組織の成長が行き詰って停滞感が漂うとき,リーダーの交代によりブレークスルーするという事例を何度となく見てきた。 リーダーの能力の限界によって組織の成長が止まり,より能力の高い新しいリーダー…

縦串・横串と言うけれど人が動かないと話にならない

■組織の形を変えただけでは人は動かない大きい組織では事業部制,部所単位ではマトリクス組織など,組織に縦串,横串を入れて風通しを良くしたり,コラボ効果を狙ったりします。 うちは50人に満たない小さな組織ですが,これをやろうとしています。 たぶん…

介護者の接遇・マナー教育はプロ意識の意識付けから

■教育の効果を期待できない人たちもいる介護職の接遇・マナー教育に頭を悩ませている管理者の方が多い一方で,介護職の接遇・マナーはあきらめたという利用者も増えているような気がする。 介護職は資格制を導入しているものの,一定人数を確保するためにハ…

いま10年前に戻れたらもっと上手に上司を操縦できると思う

■かつての上司の良し悪し自分が上司という立場を経験して初めて,かつての上司の良し悪しを自信を持って判断できるようになった。 それと同時にいまならかつての上司が私に求めていたことがよくわかる。 いまならもっと上手に上司を操縦できるのに,残念でな…

世代論について考えてみました

■ひと括りにすると便利なこともありますが私自身の世代も,語られる切り口によって呼び名がいろいろ。“新人類世代”,“バブル世代” “新人類”は特に前の世代との考え方や行動様式の違いについて指摘される場合によく使われた気がします。 “バブル世代”は当然で…

働く環境に満足できないのがナースの習性か

■職場を選ぶ要求が高いナースが職場を選ぶときの要求は結構高いと思います(平均して)。 時給(年収),労働時間,手当て,職場の立地(駅から近いとか),職場の人間関係など。ひとつひとつに対して,要求レベルが高いため,総合するとそんな職場がありえ…

コンサル出身の社長

■コンサル出身が落ちる落とし穴DeNA(ディーエヌエー)の南場社長のブログにおもしろいことが書いてありました。 「アドバイザー」と「実行する人」 http://ameblo.jp/nambadena/entry-10056108610.html MBA→コンサルという肩書きを持って起業する人…

やっぱり外れたコムスンの戦略

株式会社ゼクスは,この9月にコムスンから介護保険外の高級老人ホーム「バーリントンハウス」2施設と介護付き有料老人ホームの「コムスン・ガーデン」4施設を約360億円で買収しました。 12月1日に正式に事業継承しましたが,超高級を謳った「バーリ…

医療従事者の接遇・マナーに関心がある人が多い

■管理者の方は悩んでいるに違いない検索サイトで医療従事者,介護従事者の接遇やマナーを調べて,このサイトにたどり着く方が結構いらっしゃいます。 おそらく現場の管理者の方じゃないかと勝手に想像していますが・・・。 最近では,医療従事者,介護従事者…

腐ったリンゴっていやな表現ですね

以前,同じような題材で,組織を腐らせる社員の存在について書きました。 組織を腐らせる「キャンサー」と腐りやすい細胞 - マネジメント実験室 『御社の営業がダメな理由』の著者である藤本篤志さんのメルマガに,“腐ったリンゴ”という表現でダメな社員につ…

管理職の成長スピードが組織の成長を左右する

■中途採用が即戦力にならない 中途採用の社員を管理職にするというのは結構大変です。 もちろん,相応の年収を払って,マネジメント経験と能力を持った人材を獲得できるなら,こんな悩みはありません。 しかし,多くのベンチャー,中小企業は,私たちのよう…

ナースの接遇やマナーは教育で矯正できるのか

■実践がもっとも効果的 接遇やマナーは実践で鍛え,身に付けていくしかなく,セミナーなどによる教育は基礎知識の習得と,あくまできっかけに過ぎないと考えています。 現場で働くナースに対しては,導入教育の一環として『接遇・マナー』について教えますが…

病院のイメージ力欠如が地域医療を阻害する

高齢者医療が医療財政を圧迫しているため,医療報酬と介護報酬を改定し,医療の現場を地域医療や在宅医療へシフトし,コストのかかる病院医療の負担を少しでも軽減しようとする動きがあります。 ■ライフサイクルの一端を担う病院医療 慢性期疾患には必ずしも…

コムスンの不正で介護保険に関心が集まった?

コムスンが常勤ヘルパーの虚偽登録によって事業所認定を受け,介護報酬を不正に受け取っていたということ。都から不正請求分の返還を求められています。 もし,これが常勤ヘルパーの採用が追いつかず,事業所認定を受けながらも実態が伴っていなかったという…

作業たな卸しと工程管理の効用

工程管理というと“プロジェクトマネジメント”などの大げさなものを連想されるかもしれません。 私たちは,身近な事務作業のルーチンワークに工程管理を導入しています。 ①進捗管理 ②うっかりミス防止 ③作業の標準化これらの目的に役立っています。 ■工程管理…

コムスンの戦略は外れたのか

介護報酬の不正請求で世間を騒がせているコムスン。 このコムスンが投入した高級老人ホームが『バーリントン・ハウス』です。 “メディケアレジデンス”というコンセプトで,顧問のドクターが常駐するなど,医療・介護が充実した体制となっています。もちろん…

 「決定」で儲かる会社をつくりなさい

著者は株式会社武蔵野の現役社長で,自らが日々実践している経営手法を紹介しています。 マネジメント手法を扱った書籍類には,万能を謳ったものが見受けられますが,いざ実際にやってみようとすると自分の会社の実情にそぐわないということがよくあります。…

ブログも改善

たいして分量も書いていないこのブログですが,文体を変えることにしました。 というのも自分で書いている文章が,どうも高圧的に感じられてしっくりこないからです。 人の目に触れることを意識して書いているにもかかわらず,自分で読み返してどうもひっか…

ナース満足あっての顧客満足

私たちはどんなにお客様が要望したとしても,サービスを提供しないことがある。 それは現場で働く者(=ナース)の満足が得られないと判断した場合。 『ナース満足の無いところに顧客満足はない。』 というのが私たちの守るべき信条だからである。 それは生…

 在宅医療現場のマニュアル

在宅医療の現場においても,病院と同じような医療行為が日々行われている。 製造現場での経験があった私が疑問に思ったのは,現場でのマニュアルが無かったこと。 ひとつひとつのケア=医療行為は複雑なものではなく,経験とスキルのある看護師であれば問題…

 死ぬ瞬間まで自宅に居られる幸せ

『最期まで自宅で過ごしたい。』 『死ぬときは自宅で。』 ある調査によると,約80%の人がこう望んでいるそうだ。 望み通り自分の家で死ねる人は幸せだと思う。 しかし,いまの日本で本当に自宅で死ぬのは少数派である。 80%以上の人は病院で死んでいる…

 看護はサービスであった方が安心である

『看護はサービスである』と言い切られてしまうことに抵抗のある人は多い。 病気や怪我をして入院をしているときに,看護師の優しい対応に心癒されることがある。 そんなときに,「私たちの看護はサービスですから当然です。」と言われたとしたら,興ざめす…