著者は株式会社武蔵野の現役社長で,自らが日々実践している経営手法を紹介しています。
マネジメント手法を扱った書籍類には,万能を謳ったものが見受けられますが,いざ実際にやってみようとすると自分の会社の実情にそぐわないということがよくあります。
その点,この著者は,「中小企業にしかあてはまりません。」と言い切っていて,中小企業ならではの課題や悩みを解決できるようなマネジメント事例が数多く掲載されています。
- 作者: 小山昇
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2007/01/06
- メディア: 単行本
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普通レベル(以下)の人材を活用するための仕組み作りについて,その考え方の視点がとても参考になりました。
決めただけでは絶対動かない社員を前提としているというところがおもしろいです。
大企業の管理職の方にとっては,優秀な社員をどう育てるかの方が課題であったりするので,ちょっと参考にならないかもしれません。
この著者のセミナーには中小企業の社長が押しかけるそうですから,いかに中小企業が常に人材不足で,経営に苦慮しているかがわかります。
会員制にして,みんなで知恵を共有しあうところに,このセミナーの人気の秘密がありそうです。
大企業の中堅以上の社員にとっては,五ヵ年計画などの経営計画の作成作業は馴染みのあるものですが,中小企業にとっては社長自らが作らなければ誰も作れないのが実情であったり,他社の経営計画をそっくりそのままコピーして使ってしまっても当面は間に合ってしまうところが驚きです。