マネジメント実験室

小さな企業の経営・マネジメントを通して日々考えたこと、学んだこと、感じたことを。

コンサル出身の社長

■コンサル出身が落ちる落とし穴

DeNA(ディーエヌエー)の南場社長のブログにおもしろいことが書いてありました。

「アドバイザー」と「実行する人」
http://ameblo.jp/nambadena/entry-10056108610.html

MBA→コンサルという肩書きを持って起業する人はかなりいます。


そして,この南場社長のように『するべき』と思っていても思うようにいかず苦労しまくる社長もまた多いのも事実。


起業,経営は誰がやっても大変ですが,コンサル出身者が苦労する理由を一言で言うと,「世間を知らないから」ということかなと思います。


戦略的思考能力があり,人脈もある。ビジネスの現場も知っているし,社会的な信用度も高い。
さらに,起業するだけのビジネスモデルを抱えている。


事業計画も美しいし,投資家から金を出資させるプレゼンも巧み。


しかし,実際に働くのは感情を持った人間であり,その集合体である組織である,ということは起業の際にはあまり意識しないかもしれません。


MBA→コンサルという肩書きを持っていてもリーダーシップがなければ誰も付いてこないということ。


ただし,コンサル出身者が独立してコンサルとして起業する場合は,違うのかも。


コンサルはコンサルというビジネスモデルだし,ある程度客が付いてから独立することがほとんどですからね。



■人間を知っている人は強い

そういった中にあって,人間がどういうものかを知っている人は強いですね。


身をもって体験し,苦労しないと,そういうことは身に付かないので,そこを押さえている人は強い。


それはコンサル出身とかなんとかとは関係がありません。


もちろん,起業によって苦労してそいいうことを身に付けた社長も強いと思います。


逆にコンサル時代の経験が強みとして活きてくることもあるでしょう。



■神輿に乗り続けられれば強いかも

あるいは,コンサルとしての経験や資質を活かして,神輿に乗り続けるという手もあると思います。


もちろんこの場合は,有能なブレーンが必要ですし,自分自身が組織を回すという醍醐味は味わえません。


へたに現場に興味を持って手を出すと絶対に失敗します。


世間から見たときの象徴的存在として社長を演じ,その肩書きを持って金を引っ張ってくることがミッションです。


中途や新卒は社長の肩書きを見て入社を決めることが多いので,そのためにも象徴的な存在として神輿に乗っていることは重要です。


ただ,もともと頭のいい人ですから,神輿に乗ってるだけじゃ満足できなくなる可能性が高い。


そのときは,たぶん会社は迷走し,失敗するでしょうね。