マネジメント実験室

小さな企業の経営・マネジメントを通して日々考えたこと、学んだこと、感じたことを。

起業家たちの疲れた感じに将来の希望を見た

朝まで生テレビなんてほんとうに久々に見ました。


堀江氏が出演するために帰国するとtwitterでつぶやいておられたので、どんな内容なんだろうとチェック。


『凋落日本と若手企業家の成長戦略』というタイトルで、とにかく起業家を集めて自由に議論してもらおうという主旨です。就職とかベンチャーに興味のある若い層の人は結構見ていたんじゃないでしょうか。


あのメンバーの中では、堀江氏がすでに最年長クラスで、みんなの取りまとめというか、話題提案というか、そういう役回りになっていて興味深かった。ITベンチャーってほんとうにたくさん出てきたけど、まともに残っているところが少なくなって、ああいう公の場所でしゃべらせて面白い人もなかなか居ないんだろうなと思ってしまった。


またIT系ばかりじゃなくて、サービス系全般のベンチャーをバランス良く集めていたので、そういう意味でも話が片寄らなくておもしろかったのかもしれない。


東浩紀氏はさすがに人文系(哲学)で博士号を取っているだけあって頭の回転も速く、しゃべりにも無駄がなくて聞きやすかった。


全体を通して感じたことがいくつかありますが、まず第一点は、やっぱり頭の良い人が起業しないとうまくいかないんだろうということ。堀江氏はじめ東大が3人居ましたが、学歴関係なくそれぞれあれだけじゃべれるということは頭の良い証拠で、勢いだけじゃなくて、ちゃんと頭の良い人が起業して成功してほしいと思います。


銀行から融資を受けるにしても、ベンチャーキャピタルに投資をさせるにしても、しゃべれないと無理です。事業計画書いてしゃべれないといけないから、頭がいいということは最低条件でしょうね。


次に人材を輩出するために、大企業はもっと可能性を持っているはずだと感じました。7人の起業家の内3人はリクルート、パソナなど大企業出身。リクルートばかりが人材輩出企業として有名ですが、内部情報ではリクルートも一時ほどスタープレイヤーがたくさんいる状況ではなくなりつつあり、すでに組織力で勝負の時代になっているそうですから、もっと他の大企業からも人材が出てきてほしいです。起業家じゃなくていいから、幹部候補としてもっと出てきてくれないと、ベンチャーは人材が枯渇して成長できない。
起業はできるけど、拡大するときに人材が足らなくて成長が鈍っている中小企業はたくさんあるんじゃないかと思います。


そして、起業家の皆さん、皆さん私なんかより10歳くらい若い方もいるのですが、やっぱりこの不景気の影響で疲れている感じがする。かつてのITベンチャーブームで出てきた起業家の中には、勢いがあるけど、なんだか世の中をナメてるというか、バブルの頃の不動産屋に近い嫌な感じを受ける人もたくさんいたけど、そういう印象がなく、皆さんまじめにコツコツがんばってるから疲れているのでしょう。あたり前の話ですよね。人に先駆けて、新しいことを世の中にビジネスとして仕掛けていくのだから大変じゃないわけがなく、疲れないわけがない。


なおかつこんなに不景気なんだから一層疲れるに決まっているわけです。


ということで、すごく儲かってそうな人もいなさそうだし、皆さん疲れた感じだけど、だからこそ将来に可能性を見ました。次の世代からも、頭の良い人で、世の中を変えたい人がもっともっと出てきてほしい。いま大企業でいる人は力を溜めて、ここぞという時に出てきてほしい。起業もいいけど、人材に困っているベンチャーも助けてね。