グーグルの成長を軸に,インターネットにおいて“検索”技術がどのように変遷し,そして人々にとってなくてはならない存在になったかについて描いている。

- 作者: ジョン・バッテル,中谷和男
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2005/11/17
- メディア: 単行本
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インターネット黎明期から数年後にヤフーやグーグルが産声を上げる時点から,グーグルが現在の一大帝国を築くまで,“検索”にまつわる技術とビジネスの興亡をわかりやすく描いている。グーグルが主人公ではあるが,グーグルだけではなく現在のウェブに影響を与えた様々な企業についても詳しく書かれていておもしろい。“検索”技術がこれほど大きな市場を創造するとはほとんどの人は想像できなかったことと思う。それはたぶん検索アルゴリズムを生み出した技術者も同じであろう。大企業を扱った本には,よいしょ本や暴露本が多く見られるが,これはグーグルの内幕もきちんと描きながら,あくまで中立的な視点を外していないところがいい。
私のパソコンが初めてインターネットに接続されたのは1992年。そのころはマックを使っていて,アーチーというファイル検索ソフトでテキストベースのファイルを取ってきたりしていた。ブラウザーもなく,“スパム”などという単語も無かった。画像もテキストにコンバートしてからニュースグループなどにアップしたりしていた。
そんなことをしているときに,スタンフォードの研究室やシリコンバレーの企業では,次のビジネスの芽が着々と萌芽しようとしていたわけだ。これも興味深い。