マネジメント実験室

小さな企業の経営・マネジメントを通して日々考えたこと、学んだこと、感じたことを。

経験を積むほど新しいことを学ぶ必要があるワケ

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経験豊富なビジネスパーソンほど、強制的に新しいことを学ぶ機会を持つ必要がある。それによって、従来のビジネスルールやスキーム自体を変えてしまうような脅威が現れる兆候をいち早く掴み、例え現れたとしても、新しい戦場での戦略、勝ちパターンを冷静に見出せる可能性が高くなると考えるからだ。

■いつの間にか成功パターンに頼ってしまう

誰でも社会人になったばかりの頃は、右も左も分からないので、何でも素直に吸収して、早く一人前になりたいと考えるものだ。

社内異動や転職の後も同様で、早く新しい環境に慣れて成果を出したいと考えるのではないだろうか。

そして人は、いつの間にか環境に順応し、成果を出すための自分なりのパターンを構築してしまう。恐らく優秀な人ほど早く確実にパターン構築ができるので、常に安定して成果を出せるのだろう。

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そして恐らくなのだが、経験豊富なビジネスパーソンほど、このパターンは過去の経験やスキルに基づいた従来の変化形であることが多い。

直面した問題・課題に対して、これまでの経験やスキルでは容易にアプローチできないような場面が圧倒的に減ってしまうのだ。

『過去の成功体験にとらわれない』ようにと心の中で念じていても、やはり成功パターンから完全に自由になることは難しいだろう。

■ルールやスキーム自体が変化してしまったら

従来の変化形で対応できることは多い。もしかしたら、順調に積み上げた経験やスキルで対応できる問題にしか当たらないまま現役を終えるビジネスパーソンも多いだろう。

ところが、今のビジネス環境の変化速度はとてつもなく速い。

少し前まではネット世界の変化だけが異様に速かったのだが、「シェアリングエコノミー」や「フィンテック」や「IoT」に見られるように、サービス業や製造業にもネット世界の変化速度が波及、伝播してきている。近い将来、あらゆる業界が飲み込まれていくに違いない。

これまで『Webはあくまでツール』と高をくくっていた業界でもネット業界並みの速度で変化が起こる可能性があるということだ。

しかもその変化は、恐ろしいことに従来のルールやスキーム自体をひっくり返してしまうために、ボンヤリしていると新規参入者が現れるまで潜在的脅威に気付けないことも多い。

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■真新しい成功パターンを生み出すためのストレッチ

SWOT分析、3C分析、PEST分析などのフレームワークを駆使しても、新たな脅威を予測することが難しい時代だということだ。

そもそもフレームワークは、考えるための視点を与えてくれるだけで、未来を予知できるわけではない。

では、経験は蓄積しているけれど老いていく一方の我々はどうすればよいのだろうか。

私は、新しいことを学び続けるしかないと考えている。

できることなら自分の専門性とは異なる領域を強制的にでも学び続ける機会を作ることだ。

常に自分をチャレンジャーの視点に立たせることで、新たな脅威に準備するのである。

従来自分に無かった視点を身に付けるためには、全く新しい分野のことを学ぶ以外にない。かつて社会人一年生の頃に、毎日新しい経験を積んでスキルを身に付けていたようにだ。

そして、できれば強制的に学ぶ環境を作ることが好ましい。通信教育でも専門学校でも試験勉強でもいいと思う。さしあたっての脅威がない場合は、モチベーションの維持が難しいからだ。

異分野の人と交流するとインスピレーションを得やすいというのはこういうことだろうと思う。新しい視点で自分の業界を眺めるようになるからだろう。

このように常に準備運動をしておくことで、新たな脅威の予兆を掴んだり、新たな脅威が現れた時にも、過去の経験に頼ることなく、新たな勝ちパターンを見出すスタートを切れるのではないかと期待するのである。