英語の勉強のために読み始めた英字新聞なのだが、最近は情報源として必要だと思い、がんばって読み続けている。
一般的な英字新聞だと知らない単語も多く、特に政治、経済の分野などは専門用語ばかりで、恐らく半分、いや3分の1も理解できていない、と思う。
それでも英字新聞から得られる情報は、日本の新聞からは得られないものが多く、リアルな世界情勢を知るためには不完全な情報でも価値はある。
昔から言われていることだし、事実でもあるのだが、日本の新聞には海外で起こっていることは、大きなニュース以外ほとんどまともに掲載されない。
特に一般的な日本人にとって関心の薄いヨーロッパ、中東、アフリカ、南米などのニュースは無視されていると言っていい。
だから日本の大手の新聞だけを読んでいると、世界がリアルタイムでどのように動いているのかわからない。
これは新聞に限らない。
テレビでもネットでも日本語のニュースソースだけを頼っていると同じことである。
世界中からニュースが入ってきているような錯覚を起こすが、よくよく見たり聞いたりしていると、かなりエリア的に限定されていることがわかる。
アメリカや中国、韓国のことはよく知っているのに、インドのことはよくわからない、といった人がいるが、日本語のニュースソースだけを頼りにしているとそうならざるを得ない。
例えば、日本にいると『クリケット』というスポーツにはほとんど触れる機会は無いが、世界的に見ればワールドカップもあって野球なんかよりメジャースポーツなのだが、そういう事実を知ることがない。アメリカ発のニュースが多ければ、世界中で野球をやっているように錯覚する。
もともと限られたニュースしか扱っていない日本語ニュースであるが、最近はヤフーに代表されるニュースサイトのせいで、一層その傾向が強まっている。
ニュースサイトのヘッドラインに出ているニュースさえ見ていれば、旬の話題に遅れることはないし、それだけでも情報量はかなりのものになる。
しかし実際には、ただでさえ限られているニュースソースであるのに、その中から人為的にニュースが選ばれているわけだから、世論操作に近いものがある。
民主主義というのは、いろいろな意見を持った人が集まった上で議論を行い、より良い世論に集約していくことが前提で成り立っていると思うのだが、そもそもの意見が狭い範囲に集約されていると、誰かの意図によって世論が誘導されてしまうことになる。
一時期、安保法制で世論は持ちきりになり、国会前で大規模なデモまで起こったのだが、今デモをやったら完全におかしい人である。
まるでニースのヘッドラインから消え去るように国民の関心も他のニュースに移って行ってしまった。
これと同じようなことが、日々小さなニュースで起こっていると考えた方がいい。
だから私は英字新聞を読むことを続けようと思う。