17歳で起業し,ウェブ上で作動する3D技術をコアに伸びている“YAPPA”社長の伊藤正裕氏の自伝も織り交ぜたビジネス論。

常識を再発明する!―YAPPAが切り拓くコミュニケーション・テクノロジーの未来
- 作者: 伊藤正裕
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: 単行本
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以前日経ビジネスでインタビューを受けている記事を見かけた。伊藤ハムの伊藤前社長を父親に持つということで,ビジネスエリートが起業をしたのだなという印象を持っていた。もちろん持ち前の才能・能力は高いものがあるにせよ,彼を支えているのは“生真面目さ”と“熱意”そして“信念”だろう。成功する人の条件を兼ね備えている。
彼は17歳で起業しているということは大学には行っていない。彼が独立・起業するときに,両親に約束させられたのは,次の3つであったそうだ。
・他人に迷惑をかけない
・失敗しても挫けない
・万に一つ成功してもうぬぼれない
この両親に受けた教育も彼を支えている財産になっているに違いない。
3Dを次世代のコミュニケーションインターフェースに位置づけ,様々な展開を考えている。キーテクノロジーを武器に世界を相手にしているところは,シリコンバレーのハイテク企業と同じだ。
彼は中学3年生で海外留学を経験しており,帰国してもずっとアメリカンスクールで学んでいる。もし彼が日本の高校から東大にでも行っていたら,ただの企業エリートか二世社長にしかなっていなかったような気がする。彼が受けた教育が彼に幅広い視野を与えたのではないだろうか。
伊藤氏くらいの才能に恵まれ,市場を創造できる可能性を持っている若者は日本にはもっといるはずなのだが,日本の教育ではそれを開花させることができないのだろう。
そういう意味では,伊藤氏は生まれも含めラッキーだったのだろう。彼を次世代リーダーの偶像にするより,教育のあり方次第では彼が決して稀有な存在ではないということを証明できるように,才能のある若者にどんどん投資して欲しいと願う。