■上位ランキング企業のサイトデザインはどこもよく似ている
「日経パソコン」企業サイトランキング 2007
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20071004/283804/?P=2
上位企業を見ると,ほぼ一部上場企業で占められています。
これは恐らく,サイトに金をかけられることと,時間をかけられる専任部門を持っているということでしょう。
さらに,上位企業のサイトを比較してみると,ほぼデザインが似通っていることがわかります。
いまのデザインのスタンダードが,とりあえず落ち着くところに落ち着いてきたという感がありますね。
■他社と差異が出しにくいコーポレイトサイト
以前はユーザビリティーが悪かったり,必要な情報が掲載されていなかったりと,課題もいろいろありましたが,他社と差別化しようとする意識が各社に働いていた気がします。
しかし,いわゆる『いいサイト』というスタンダードのようなものが徐々に固まってくるにつけ,各社とも“横並び”を意識し始めざるを得ないのでしょう。
その結果,よく似たデザインの企業サイト(コーポレイトサイト)ばかりになってしまったのだと思います。
お金をかけて見栄えがよくなり,アクセス数が増えるほどに,製作担当者は冒険できなくなるのです。
企業の担当部所および担当者は,オリジナルの主張もしたいけれど,失敗は許されないものだから,制作会社(代理店やWebコンサル)といった外部の意見を重視するようになります。
「いまはフラッシュですよ。」
「ブログやメンマが配信が顧客との距離感をぐっと縮めますね。」
「いまどきどこもRSS配信はスタンダードです。」
そうやって,中身のコンテンツは異なるけれど,サイトの印象はどこも似たり寄ったりという結果になるのかと。
制作者(代理店やコンサル)も担当者の立場をよくわかっていて,意見を反映させているようで,その実,無難で確実な“おススメ”をします。
冒険して失敗すれば,いい“金づる”に逃げられることは重々承知ということです。
かくして,担当者と制作者の利害関係は一致し,サイト制作における共謀関係が成立します。
上場企業なら,サイト制作の担当部所には,かなり大きな予算が割り当てられているに違いありません。
■効果検証が難しいから金を出さざるを得ない
サイトの出来栄えが直接ビジネスや売り上げに貢献しているのか,効果検証は難しいでしょう。
例え,その企業サイトへのアクセス数が増えたからといって,その企業への関心が高まったり,結果として商品の売り上げにつながっているかどうかは計りようがありません。
しかし,アクセス数さえ増えれば,制作会社も担当者も,とりあえず責任を果たしたことになるのが普通でしょう。
「制作会社に乗せられて,予算使って,それでランキングされたからって・・・」と社内でのありがちな陰口も聞こえてきそうな気がします。