Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方
- 作者: 平尾勇司
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 単行本
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『リクルートは新規事業開発がうまい』、『リクルートは人材輩出企業だ』と言われるが、なぜそうなのかは、出版物やインタビュー、または内部に居る友人からの情報を断片的につぎはぎしてイメージしていた。
これを読むとその強さの秘密が一部ではあるが具体的事例をもって理解できる。
一番の強さの秘密は、『仕組み作りの強さ』だと感じた。
マーケティング、営業方式、現場オペレーション、その全てにおいて徹底して仕組み作りにこだわる。
仕組み作りは面倒くさい。それをここまで徹底してやり、なおかつ徹底して実行してブラッシュアップしていく。
さらに強いのは、その仕組みを実行するのが人間であるということをよく理解していること。
仕組みの中に人をモチベートする仕組みを内包させているというところが素晴らしい。
これは本当に何度も何度も読み返しているが、言葉がシンプルで明確なので、頭に入りやすい。
単語を替えるだけで、すぐさま目の前の自分の仕事や事業のことに置きかえられる。
新規事業はいまのご時世では、なかなか手掛けることはないだろうが、既存事業にも十分役立つ内容である。
マネジメントトップとマネジメント層、そして一般社員といった関係の中で、起こりがちなコミュニケーションエラーとそのもたらす結果も随所にシンプルに描かれてもいる。
リクルートは営業力が強いから自分たちには当てはまらないと思う人も多いようだが、リクルートこそ、コテコテの泥臭い努力型企業であって、もとから営業力が強いわけではない。
営業力だけ考えれば、もっと軍隊チックなすごい企業は他にもある。
リクルートが強いのは、それを仕組み化して、徹底して続けることができ、人が替わってもマインドを引き継ぐことができるからだ。
学ぶべき点は非常に多いし、取り入れられる手法もたくさんある。